こんばんは。アラフォーおじさんの健太です。
ネットを見ていたら
北海道新幹線が札幌まで開業すれば
「東京―札幌が4時間30分、もしかすると3時間台内に?」
という記事を見つけました。
わたしは乗り物一般、とりわけ鉄道が好きで「にわか」ではあるのですが、一応「乗り鉄」です。
そして、北海道出身です。
住んでいる埼玉県から札幌まで鉄道で移動すると、現在は函館から札幌までは新幹線が開通しておらず、在来線特急を利用することになるため、かれこれ8時間以上時間がかかってしまいます。
「乗り鉄」なので、電車※に乗っていれば、それだけで幸せです。
だから、埼玉県⇔札幌までの移動時間が8時間もの長時間かかってしまっても、あまり苦にはなりません。
ただ、わたしのように鉄道に興味があるわけでもなく、とりわけ子供さんがいて、家族で北海道へ帰省するようなケースの場合
航空機に比べて、新幹線での移動は
・「頭上・足元のスペースが広くてゆったりできる」
・トイレが行きやすい
・航空機の場合、空港に移動するまでや搭乗手続きに時間がかかってしまうが、新幹線は乗車までにかかる時間が短い
・小さな子どもが泣いてしまった場合でもデッキ等に避難が可能
そんなメリットがあると思います。
でも、現状8時間以上も時間がかかってしまうのは、北海道へ帰省する際の現実的な手段にはならないですよね。
※正確に言いますと、函館⇔札幌間の特急は軽油で走行しています。だから「電車」ではなく「気動車(ディーゼル車)」なのですが、それは置いておきます。
(一応テツなので…。)
早く東京⇔札幌間が繋がって欲しい。
北海道新幹線は、函館(新函館北斗駅)まではすでに開業していて、現在札幌まで延伸工事が進められていて、開業予定は2031年春とのこと。
今年2019年半ばですから、順調に工事が進んだとしても後11年半待たなければなりません。
長い…。
わたしは、今40歳台半ばなので、札幌まで帰省するのに好きな新幹線を利用して、ゆっくりとこれまた大好きなお酒を飲みながら♩〜が実現する時
すでに定年間近の正真正銘「ジジィ」になっています!!
工期を短くできないか?
調べてみると、日本で最初の新幹線であり、世界初の高速鉄道である「東海道新幹線」は1959年4月に工事が着工され、最初の東京オリンピック開催直前の1964年10月に開業しました。
歴史上類を見ない世界初の高速鉄道にもかかわず、なんと僅か5年半ほどで開業までこじつけたのですね。
戦争に負け、東京を始めとする大都市は空襲で一面焼け野原になってしまった。
そんな困難な状況を克服して、これまた東洋初となる東京オリンピックを成功させ、戦後からの復興を国内外に印象づける国家的プロジェクトの一環として、東海道新幹線をオリンピック開催前に何が何でも開業させるという切実な事情があったことは想像に難くありません。
東海道新幹線の営業キロはおよそ550Km、一方、北海道新幹線の新函館北斗⇔札幌間はおよそ半分の210Km。
単純に距離から計算すると、2年半ほどで完成してもおかしくないですよね。
勿論、東海道新幹線が
・東京⇔大阪間という2大経済圏を結び、莫大な経済効果を生むことが予想できた。
・東京オリンピックという一大国家プロジェクトを成功させ、日本が戦後の荒廃した状態から完全に復活したことを国際的にアピールするためも東京オリンピック開催前に是が非でも完成させなければならなかった。
・超重要な国家施策だったため、国が国策として建設資金を短期間で集中的に支出することができた。
そのような背景があったことから、5年半という短期間で開業までこぎつけることができたことはわかっています。
北海道新幹線と東海道新幹線を同列に考えるにはそもそも無理がある。
でも、北海道新幹線の着工は2005年5月です。
札幌までの開業は2030年3月ですから、着工から開業まで25年以上かかる計算になりますよね。
東海道新幹線に比べると、5倍時間がかかっている…。
これでも、短くなった?
調べてみますと、元々は札幌延伸開業時期は2035年だったようですが、国土交通省が旗振りをして5年前倒しにしたとのこと。
今回、開業を5年前倒しするためのスキームは、JR各社が支払う施設使用料の将来分を担保に、新幹線施設を所有する鉄道建設・運輸施設整備支援機構が金融機関から資金を借りる、というもの。この方法で敦賀・札幌分あわせて2000億円程度を確保し、北海道は2年、北陸では1年の工期短縮が可能になるとのことです。さらに、地元自治体や国の負担を増やして、あわせて3~5年の工期短縮を実現するのだそうです。JRに新たな負担は求めません。
これだけ、建設に時間がかかってしまうのは建設費用を負担する、国と地方自治体が工費を一気に捻出できないからなんですね。
東海道新幹線建設の時代と違って、経済がどんどん右肩が上がりに成長しているわけではなく、むしろ少子高齢化によって労働人口は右肩下がりにどんどん減少。
今後ますます国や地方自治体の税収が落ち込むことが予想される。
そんなご時世に、東海道新幹線と同様に短い工期で新幹線を建設してほしいと希望しても、無理なんでしょう。
せめて最速で到着するようにしてほしい!
早く建設してほしいのは山々なんですけれども、お金の問題があり東海道新幹線のように長短工期で北海道新幹線の札幌延伸が叶いそうには有りません。
だから、巨額の建設費で開通させる日本が世界に誇る高速鉄道「新幹線」です。
せめて、新幹線が持っている最大限のスペックを活かせるようにしてほしいと思います。
北海道新幹線は東北の盛岡⇔札幌間が整備新幹線区間で建設され、最高速度260km
その中でも在来線貨物列車との共用となる青函トンネルを含む区間の新青森⇔新函館は140kmでの運行が計画されています。
その場合の東京駅⇔札幌駅の所要時間は5時間1分ということになっています。
今でも東北新幹線の宇都宮⇔盛岡間は320kmで運転されていますし、もし東京駅⇔札幌駅間が全て320Kmで結ばれると4時間33分。
その差は28分です。
約30分の短縮となりますが、その30分を「長い」と感じるか、それとも「短い」と感じるかは人それぞれですが、札幌まで「5時間台」というのと「4時間30分」とでは心理的な距離感が全然違いますよね。
もし、最高速度を350kmとすれば、3時間57分での到着も可能との試算もあるとのこと。
在来線貨物列車とのすれ違い時に発生する風圧などによって危険性を低減するため、青函共用区間のスピードを落とさざる得ないのは理解できます。
でも、整備新幹線区間にて建設されている盛岡⇔札幌間の最高速度が260kmに定められているのは、なんと昭和40年代に決められた法律に基づいているんです。
整備新幹線区間は構造上スピードが出せない?
整備新幹線区間とは、その建設費を捻出するため、1973年に制定された法律に基づいて国庫と沿線自治体の予算によって新幹線を建設しようとするもの。
建設した区間の線路、橋やトンネルなどの構造物はJRのような運行事業者ではなくて、「鉄道・運輸機構」が保有。構造物を利用するJRなどはリース料を支払って新幹線を走らせる仕組。
「JRは建設費を国や沿線自治体に負担してもらう代わりに、その利用料を支払いますよ。」ということなのです。
つまり、建設費を「どこが出すのか?」、建設した構造物を「どこが所有」するかということが、現在JR東海(旧国鉄)が所有者となっている東海道新幹線等と整備新幹線区間で建設された新幹線は違うんですね。
でも勿論、整備新幹線で建設された新幹線とそれ以前に建設された新幹線に建設物として構造上の違いは有りません。
では、なんで整備新幹線区間は最高速度260Kmに定められているのか?
整備新幹線最高速度の理由とは?
先に書いたように、整備新幹線区間で建設された路線であっても、非整備新幹線区間での新幹線との構造上の違いは有りません。
なぜ整備新幹線区間の最高速度は260kmなのか?
整備新幹線という新幹線を建設していく費用負担や運用についての新たな方式を法律で定められたのは1973年。
その当時、新幹線の最高速度は210Kmだったんです。
整備新幹線で建設された路線が開業する頃のスピードアップを見込んで最高速度は260kmと定められたらしい。
戦後、道幅が今よりも狭くかつ舗装されていない道路が大半で、自動車の安定性やブレーキ性能が今よりも格段に低かった時代に定められた、自動車の一般道の最高速度60km制限。
環境が大きく変わった今日でもそれが大きな基準になり、日本の法律では高速道路・市街地道路の最高スピードがそれぞれ定められています。
それが、今や時代遅れになり、現実に即していないことは周知のとおりです。
なんか、時代の最先端の技術や驚異的な安全性で世界に誇る「SHINKANSEN」も又、旧態依然の仕組によってそのスペックが完全に発揮できないなんて悲しいことですよね…。
とにかく!!
北海道新幹線。
建設期間を短縮できないのであれば、せめてスピードフルスペックを発揮できる環境で新幹線を走らせてあげて…。
是非「東京から札幌まで3時間台で結んで欲しい!」と切実に思った元道民からの声でした。