山口県周防大島町で、祖父からはぐれてしまい12日から行方不明になっていた男児の藤本理稀君(2歳)が無事捜索ボランティアの男性に保護されたニュースが全国を駆け巡りました。
最近では殺人事件や、留置取り調べ中の容疑者が脱走を図るなど、物騒で暗いニュースが多かっただけに、久々の明るいニュースに何か安心したというか、ほっこりした気分になった方も多いのではないでしょうか。
はぐれてから発見されるまでは連日、理稀君がたどった可能性がある経路がどのような状況になっているかテレビで紹介されていましたよね。
その映像を見ると、わずか2歳で身長も90㎝にも満たない男児では転落するとかなり危険な道の片側が崖状になっていたり、身体がすっぽり隠れてしまうような草木が多い茂っていたりしました。
わたしは、なんとしても「無事で元気でいてほしい」という気持ちと同時にもし、理稀君が崖から転落していたら最悪の事態もあり得るかなり厳しい結果になっているだろうと考えていました。
おそらく、大半の方は同様の考えだったのではないでしょうか。
だからなおさら、無事発見されたとニュースを見たときは、とっても嬉しかったですね。
第一報はスマホのニュースで知ったのですが、その時は「命に別条は無い」との情報はありましたが、理稀君がどのような状態で発見され、誰が発見したのかという情報はありませんでした。
理稀君を発見した78歳ボランティアの男性がヒーローすぎる
理稀君を発見・保護した方は、大分県の尾畠春夫さん(78)。
なんと、理稀君を発見するために、自ら志願し大分からわざわざボランティアとして捜索活動に参加したとのこと。
それだけでも、とても常人では簡単には真似できないような大変な事なのですが、このお方の言動を見ていると
「リアルヒーローが日本にもまだいたんだ!」
「何てカッコイイ男なんだ!」
と思わず歓喜の声を上げてしまいました。
尾畠さんは、ヒーローの要素をすべて体現している
なんでも、尾畠さんはボランティアの達人で数年前も大分で行方不明になっていた女児の捜索活動に参加。
見事女児を発見したとのこと。
今回、理稀ちゃんを発見した際も捜索活動を始めた時間から僅か30分にも満たない短時間で発見。
なぜ、「居場所がわかったのか?」と報道陣に聞かれた際、
尾畠さんはサラッと
「道を迷ったときの子供の心理を考えると、進もうとする道が坂になっていた場合、子供は下るより登る!」
「だから、登った坂道の向こう側に理稀ちゃんがいる可能性が高いと思った。」
そして、「そこにが呼んでいるような直感があった。」
と非常にニクく、クールな回答をしていましたよね。
わたしは、アラフォーなのでバリバリの昭和世代です。
子供の頃のヒーローといえば、なんといっても
・ウルトラマン
・仮面ライダー
・スーパー戦隊シリーズ でした。
その主人公に共通していたことがあります。
それは、
・自ら多くを語らない
・約束を守る
・たとえ、間一髪のところで悪人をやっつけても、さっと去る
といったところでしょうか。
どうですか、どれも尾畠さんの立ちふるまい方と共通していませんか。
尾畠さん御本人の弁によると、大分県で鮮魚店を営んでいたが、65歳で店を閉じて(?)
以降、「学歴も何もない自分のようなものを生かしてくれた世の中に恩返しがしたい」との志で、全国各地ボランティア活動に廻っているとのこと。
尾畠さんは、自分の出仕や「なぜ、全国各地をしかも、自分の年金からお金を出して決して若くはない身体に額に汗をかきながら、ボランティア活動に打ち込むのか?」その理由について、それ以上のことは語りません。
理稀ちゃんの親に、「理稀ちゃん見つけたら、直接親御さんへ手渡します!」と約束。
警察に身柄の引き渡しを求められたとしても、それがたとえ上層部からの依頼であったとしても、断固拒否するつもりだったと言っていましたよね。
どうでしょうか。
ウルトラマン、仮面ライダー、スーパー戦隊と一緒だと思いませんか!
悪に苦しめられている人々、そして地球を必ず守ると約束し、絶対に反故にしない。
自分の命を危険にさらしながら間一髪のところで悪に打ち勝つ大パフォーマンスをやってのけた後でも、「何も語らず」さっと立ち去る。
突然、広く世間に知られる存在になった尾畠さんに、自分たちが幼き頃に見ていたスーパーヒーローのカッコイイ姿が重なった人は決して少なくないとおもいます。
国民栄誉賞をあげてもホントに良いと思う!
ネットや教育評論家の「尾木ママ」、デーブ・スペクターさんが尾畠さんの今回の行動を「国民栄誉賞ものだ」と発言しかなり盛り上がっています。
そのなかでもデーブさんは、ツイッターで
”「アスリートを美化しすぎの世の中で2歳児を発見したボランティアの尾畠春夫さんにこそ国民栄誉賞を」と提案していた。”
わたしもその通りだと思います。
お風呂へ入浴を勧められても断ったほどの尾畠さんです。
(いちいち、何てカッコイイんでしょう!)
仮に、国民栄誉賞の授与が決まったとしても断られるとは思いますが...。
今回の尾畠さんのように、名も知らない市井の方であったとしても、尊い行動によって社会にとって良い強力なインパクトを与えたならば、本人の有名・無名にかかわらず国民栄誉賞を授与する。
実際には難しいことは分かっていますが...。
国民の大多数のみなさんは賛成すると思いますよ。
でも、尾畠さんのようなヒーローが未だ日本にも存在していたことに感謝したく思います。
尾畠さんありがとう!
そして、理稀ちゃん無事で本当に良かったね!!